鯉を釣っていますと、時々病気にかかったものが釣れることがあります。また、私どもが鯉を扱う際にダメージを与えると、それが病気につながる確率が高くなることが想像されます。このページでは、鯉がかかりやすい一般的な病気について紹介します。
水生菌病(ミズカビ病)
頭部や尾部などに菌が綿のように繁殖する病気で、皮膚やヒレが欠落します。もともと水中には水生菌(サプロレグニア)が常に存在しています。普段は免疫力により発病を防いでいますが、体表のスリ傷や、ストレスによる免疫力低下などをきっかけに発病します。
カラムナリス病(エラ腐れ病、口腐れ病)
エラ蓋を開けるとエラが白く変色していたり、泥がついたようになっています。また口の周辺が黄白色または赤色に炎症を起こす場合もあります。水温の急変や水質悪化によって発病します。
チョウ(ウオジラミ)症
釣り上げた鯉の体表の一部が擦れたような跡がある場合、その周辺の体表をよく観察すると丸い体型をして吸盤で付着しているチョウを見つけることができます。これに寄生された鯉は水底や壁などに体を擦るような泳ぎ方をします。たくさん寄生されると、鱗がはがれたり貧血になったりします。
白点病
体表にたくさんの白い点々ができます。これは白点虫という原生動物が寄生して起こる皮膚病で、他の鯉にも感染しやすい病気です。
KHV(コイヘルペスウイルス病)
2003年秋に霞ヶ浦の養殖鯉が大量死したのをはじめとして、全国各地で猛威をふるった病気です。エラ腐れを併発し、死亡率が極めて高い病気ですが、鯉以外の魚種には感染しません。
この他に、穴あき病、運動性エロモナス症(赤班病、立鱗病)、イカリムシ症などがありますが、詳しくは下記の参考サイトをご覧下さい。
参考文献
1)「魚の生活」 末広恭雄 ベースボールマガジン社
参考サイト
1)福島県内水面試験場 https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/37400a/