随分前からアンバサダーは7000以上の大型リールが販売されなくなってしまいました。市場に無いと欲しくなるもので、最近ネットや中古釣具店などを見るようになっています。そんなある日見つけたのが、今回紹介するリール。ABU7000CL BIGGAMEです。
前のオーナーが海で使い、2年ほど仕舞い込んでいたものとのことで、当然のことながらある程度腐食が進んでいます。しかし外観はさほど悪く無いことと、リーズナブルな値段だったので購入しました。
[写真1] 中古品を購入
購入後、オーバーホールしながら不具合箇所を探して、可能なところは修理していきます。ハンドルを回してみたところ、最初に気がついたのはハンドルノブの一箇所が手に当たると痛い!よくみると打痕でしょうか、カエリが出っ張っています(写真2)。早速1000番のサンドペーパーで出っ張りを丁寧に処理してOK。
次は本体の腐食。特に目立つのはレベルワインダーの上のバーの部分。メッキがかなり剥がれて下地が腐食しています(写真3)。メッキの修復をうまくやる方法を考え付かなかったので、今回は錆落とし剤を使った後パーツクリーナーで洗浄して済ませました。
[写真2] ハンドルノブの出っ張り
[写真3] レベルワインダーの上のバーが腐食
左サイドプレートをみると、3本あるはずのネジが2本しかありません(写真4)。ネジのないところをチェックすると、中に折れたネジが詰まっています。前のオーナーが締めすぎてネジを千切ってしまったようです。無理にいじるとダメージがありそうなので、ここもそっとしておくことにしました。
スプールをよく観察すると、内側のサイドに小さな黒い点が何箇所か見えます(写真5)。指で撫ででみるとざらつきが感じられました。おそらく腐食ではないかと思います。ラインにダメージがあるといけないので、ここも1000番のサンドペーパーで丁寧に磨き上げました。
[写真4] サイドプレートのネジが一本ない
[写真5] スプールの内側のサイドに黒い腐食
ハンドルがある右サイドを外すと、遠心力ブレーキが出てきます。7000シリーズは4ブロックですが、2個外されていました。残されたブロックは、表面が劣化しているように見えたので使わず、新品のブレーキ4個を装着してここも終了。
[写真6] ブレーキブロックが2個外されている
(写真7] 新しいブレーキ4個を装着
ドライブギヤの裏側にあるドラグワッシャを見ると、サイズが合っていないものをカットして無理矢理使っていたようです(写真8)。肝心な時にトラブルを起こすといけないので、これは適正サイズのワッシャに交換しました。写真9の左が外したワッシャ、右が新品のワッシャです。純正品ではありませんが、カーボンテックス素材のワッシャを使いました。
[写真8] サイズが合わないドラグワッシャ
[写真9] 左が外したワッシャ。右が新品。
以上のように、中古品なのでそれなりに傷んでいて、修理可能なところは処置しました。中古品を購入する場合は外観だけではなく、内部の状態もある程度覚悟しなければいけません。
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