はじめに
今回中古で入手した7000CLはめずらしく外観が美しいリールです。到着後すぐにオーバーホールしましたのでレポートします。
外観
[写真1] 一見して目立った腐食や傷などはないようです。これまで購入した中古品の中では上位にランクされるリールです。使用回数が少なかったのではないかと想像できます。
[写真2] しかしよく見てみるとハンドルのナット・リテーナが破断しています。ここは滅多に壊れることはないと思いますが、リテーナを外さないで強引にナットを回したのかもしれません。部品交換するしかないので、今回は洗浄して使うことにします。
[写真1] 目立った腐食や傷が見当たらない
[写真2] ハンドルのナット・リテーナの破断を発見
右サイドプレート
[写真3] ハンドルを外すと、このワッシャーがあります。本来はもっとウエーブしているはずですが、ずっと潰したままにしていたのかヘタって平になっています。ペンチで形状を修正しようかとも思いましたが、塑性変形は材料にあまり良くないので、洗浄だけしてこのまま使うことにしました。
[写真4] 右サイドプレートの固定ネジの溝が潰れています。サイズがきっちり合ったドライバーを使わないオーナーさんはこのように潰してしまいがちです。緩める時に少し固かったのですが、慎重に外しました。ねじ山の方はダメージがないようなので、これも洗浄して使うことができます。
[写真3] ウエーブが小さくなっているワッシャー
[写真] 溝が潰れたネジの頭
ドライブ系
[写真5] ドライブギヤ周辺です。グリスが劣化して黒っぽく変色しています。綿棒で触ってみると固まっている部分もあります。分解する前にハンドルを回したところ、ブレーキを締めているような重さを感じたのはこれが原因だったようです。1部品ずつ丁寧に洗浄してグリスアップします。
[写真6] ドラグワッシャーです。摩耗粉で真っ黒になっていました。最初このリールの外観を見た時は、使用回数が少ないのかなと思いましたが、このワッシャーの状態からするとそこそこ使っていたことが想像できます。洗浄して薄くグリスアップしたところドラグ性能は問題なかったので、このまま使うことにしました。ドラグワッシャー1セットを新品に交換すると結構コストがかかってしまうので節約です。
[写真5] グリスが明らかに劣化している
[写真6] 摩耗粉だらけのドラグワッシャー
スプール系
[写真7] 遠心ブレーキのブロックは4個とも付いていました。オーナーによっては遠投するために2個に減らしたり、4個とも外したりしている場合があるのですが、今回は大丈夫です。ブロックの摩耗はあまりないようなのでそのまま使えそうです。
[写真8] スプールの内側に腐食が見られます。他にも腐食がありザラつきがありますので、1000番のサンドペーパーで丁寧に磨きました。少なくともラインにダメージを与えることはないと思われます。海で使ったリールは、スプールの腐食がよく見られます。中古品を購入する時のチェックポイントのひとつです。
[写真7] ブレーキブロックは4個とも健全
[写真8] スプールの内側に腐食が見られます
洗浄・組み立て
前のページで詳しく説明していますので、今回は割愛します。グリスとオイルの使い分けなども他のページを参考にしてください。
[写真9] 作業途中のようすです。パーツを紛失しないように、分解した順に並べるように心がけています。パーツの洗浄は、小さいものは紙コップに洗浄剤をいれてその中で揺すって洗浄します。グリスが固まっている時は綿棒で拭き取る→紙コップで洗浄を繰り返します。紙コップに入らないパーツは、ペーパーで覆って洗浄剤のスプレーを吹き付けます。
[写真10] 組み立て後はすべての動作をチェックします。異音がしないか音も注意しています。今回はオーバーホール前のハンドルの重さは解消し、とてもスムーズに回るようになりました。オーバーホールをするたびに感じるのは、ABUのリールは音や感触がとても僅かではありますがそれぞれ個性があります。私の場合はその個性がとても好きです。
[写真9] 作業途中のようす
[写真10] オーバーホール終了
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