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Carpmaster / 概要

Ambassadeur6500には「Trophy Collection Series」というスペシャルエディションがあります。おそらく北米限定のリールだと思われ、日本では流通していません。シリーズには6種類のリールがラインナップされていて、対象魚に応じて個別の型番が付けられています。また、リールのサイドプレートには、魚のイラストが描かれているのが特徴的です。この中で、なんといっても気になるのがAmbassadeur 6500TCCM Carpmasterです。ヨーロッパのカープフィッシングではABUの知名度は低いのですが、北米と日本では圧倒的に有名なブランドであり、Carpmasterというネーミングを聞いただけでも嬉しくなってしまいます。
 

 
Carpmasterは1999年にファーストモデルが発売され、以来ほぼ毎年リールのカラーを変えて販売しています。意味不明なフットナンバーよりも、カラーの方が何年モデルであるかはっきりわかるので、購入する際には便利な面もあるのですが、例えば時間をおいてリールを買い足していく場合は、カラーを揃え難いという問題があります。
 

 
Carpmasterの存在は以前から海外のサイトで知っていましたが、2000年代の日本では5m以上の石鯛竿と石鯛リールが主流であったため、ほとんど注目されることはありませんでした。ところが、数年前から私は4m程度の短い石鯛竿を使うようになり、これとバランスがいいリールを探し続けていました。Ambassadeurでは6500Cシリーズが大きさや重さから良さそうだったのですが、ギヤ比の関係で巻取りスピードが遅いためNG。唯一6500CS Rocket Gunnerがギヤ比6.3:1で巻取りスピードが優れていましたが、あまりにも高価であるため、複数台揃えなければならない鯉釣には不向きです。そこで、日本では入手が困難なCarpmasterですが、深く調査してみることにしました。2011年現在、日本ではまだCarpmasterを使用している人はいないと思われますので、まずはカタログスペックから紹介します。

Carpmasterと他のAmbassadeur6500のスペックを下表に示します。
まずギヤ比に関しては、CarpmasterとGunnerが6.3:1と高いことが分かります。ギヤ比5.3:1の場合、ハンドル1回転のラインの巻取り長さが60cmであるのに対し、ギヤ比6.3:1は72cmになります。従来から鯉釣りで多用されたAmbassadeur7000シリーズのハイスピードの場合も72cmですから、十分な巻取りスピードと言えます。

次にブレーキですが、Rocketシリーズはカゴ釣りなどを目的として、遠投性能を重視していますので2点式遠心力方式を採用しています。私の考えでは、6点式に比べてブレーキ力が小さくなる分、メカニカルブレーキやサミングに依存することになるはずです。逆に考えると、Carpmasterなどの6点式は安定したブレーキ力であり、メカニカルブレーキやサミングにあまり神経質にならずに使用できることになります。

ベアリングに関して、Carpmasterはステンレスベアリングを採用しています。Rocketシリーズは海釣りを前提にしていますので、HPCR (High Performance Corrosion Resistant 高防錆)ベアリングを採用しています。淡水で使用する分には、ステンレスベアリングで何の問題もありません。
 

 
これまで7000、9000シリーズの丈夫な機構を使い慣れてきたため、6500シリーズの華奢(きゃしゃ)なリールは、全く異なる感触であることは間違いありません。次回からはCarpmasterについて、さらに詳細に解説します。

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