ラインを巻き取る際に、スプールの幅一杯に均一に巻き取る役目をするのがレベルワインドです。主要部をリールの外から見ることができるため、機構を理解しやすい部分ですが、Ambassadeur7000について解説します。
リールのフレームとレベルワインドだけにすると、非常にシンプルな機構です(写真1)。これをさらに分解したのが写真2で、フレームを除くとわずか6部品で構成されていることがわかります。この中でレベルワインドの往復運動をつかさどっている主要パーツは、パイロットガイド(写真3)とウォームシャフト(写真4)です。
[写真1] フレームとレベルワインド機構
[写真2] わずか6部品で構成されている
パイロットガイドの先端(写真3の上側)は板状に薄くなっていて、ウォームシャフトの円柱カム溝に沿って移動します。カム溝は往復の移動に応じたらせん状になっており、左右両端で折り返しの時、溝にならってパイロットガイドが向きを変えます。
[写真3] パイロットガイドの先端部分がカム溝に入る
[写真4] ウォームシャフトの円柱カム溝
すでに説明したギヤの歯数より、ハンドル1回転当たりスプールシャフトは約1.05回転することがわかります。スプールシャフトのカム溝は10回転するとスプール幅に相当するリードで切られていますので、結局ハンドルが10回転すると、レベルワインドがほぼスプール幅分移動することになります。
1941年に発売したABU社初のリール「Recordシリーズ」にもレベルワインドが搭載されています。基本原理は当時と変わらないと思われ、分解したパーツを一点一点眺めると、成熟しきったメカニズムの機能美を感じることができます。
ただし、レベルワインドは、摩擦面が多い機構です。また、カム部分が外部に露出しているため、ゴミの進入やオイル切れに十分注意を払う必要があります。
序論 |
---|
ヒストリー | 時計工場「ハルダ」|ABUの誕生|スウェーデン初のリール|Ambassadeur5000の誕生|大型リール登場|ABU年表 |
---|
メカニズム | パーツ数から見る7000シリーズ|7000ドライブシステム概説|ドラグ調整|ハンドル逆回転防止|スプールフリー|アンバサダーのギヤ|ブレーキの仕組み|クリック|レベルワインド|自動二段変速ギヤ |
---|
パテント |
---|
ラインナップ |
---|
Carpmaster |
---|
Record1500 |
---|
オーバーホール | オーバーホールとは|必要な道具|分解手順と注意点|潤滑剤の使い分け|レベルワインドの組立|左サイドの組立|スプールの組立|クラッチの組立|メインギヤの組立|右サイドの組立|ハンドルの組立|7000CL中古品 (2024年)|7500C3JSP中古品(2024年) |
---|
リペア |
---|