洗浄
メインギヤのパーツは以下の通りです。
① Main Gear Bushing
② Spring Washer
③ Anti Reverse
④ Drag Washer
⑤ Main Gear
⑥ Drag Washer
⑦ Friction Washer(2parts)
⑧ Drag Washer(2parts)
⑨ Friction Washer
⑩ Spring Washer(2parts)
このモジュールはドライブの要であるメインギヤ、ハンドルの反転防止のためのラチェット機構(アンチリバース機構)、クラッチをONに復帰させる機構、ドラグ機構といった重要機能が集約されていますので、コンパクトながらパーツ数が多いところです。
パーツクリーナーを使って洗浄しますが、②スプリングワッシャをつまようじを使って剥がして洗浄することと、③アンチリバースの2枚の爪の隙間をつまようじの先を使って丁寧に汚れを拭き取ることを入念に行う必要があります。
⑤メインギヤの歯は特に丁寧にブラシングして汚れを落とす一方で、ギヤに付いている2枚の円弧状スプリングを曲げないように注意して洗浄します。綿棒の尖った先でギヤ一歯ずつ拭き取り乾燥させます。
⑥から⑩のワッシャー類も表裏を洗浄し、ティッシュペーパーで綺麗に拭き取り乾燥させます。
メインギヤのパーツ(1)
メインギヤのパーツ(2)
潤滑と組立
①メインギヤブッシングのセンター穴と6箇所の凹みに綿棒でグリスを塗布します。①を裏返して、2箇所の突起とラチェットの歯にもグリスを塗布します。さらに、②スプリングワッシャの両面にグリスを塗布し、中心が窪んだ状態になるように①に組込みます。③アンチリバース全体にグリスを塗布して①に仮組みした状態でブレーキプレートに組込みます。
⑤メインギヤの歯と円弧スプリングにグリスを塗布します。次に④ドラグワッシャの両面にオイルを綿棒で薄く塗布し、⑤の円弧スプリング側の面に貼り付けて①メインギヤブッシングに組込みます。
⑤メインギヤの上に⑥⑦⑧⑨⑧⑦の順にワッシャ類を組込みますが、⑥⑧のドラグワッシャの両面には予め綿棒でオイルを薄く塗布します。オイルをつけ過ぎるとドラグを締め込んだ時のドラグ力が小さくなってしまいますので、摩耗しない程度にオイルを塗布します。
最後に⑩スプリングワッシャ2枚を組込みますが、この時⑩の向きに注意が必要です。⑩の断面形状を ) で表すと )( にするのが正しく、)) あるいは(( はドラグ調整の敏感度が極端に高くなるため駄目です。()は同じスプリングワッシャの組み合わせの場合にかぎり成り立ちますが、異形の組合せでは成立しません。
以上でメインギヤの組立が終わりです。
①メインギヤブッシング
③アンチリバース組込み
⑤メインギヤの円弧スプリング
メインギヤの組立完成
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