ぶっ込み釣り / 竿の並べ方
ぶっ込み釣りでは、竿を2本から5本程度使います。何本使うかについては、それぞれの釣り場で餌を打ち込む場所が何カ所あるかによって決まりますが、最も大事なのは自分が打ち込む竿の一本一本にどんな意味を持たせるか考えることです。鯉の警戒心を煽らないためにも、竿の本数はできるだけ少ないのが理想と考えます。また、釣り人の人口密度が高い釣り場では、釣り座を独り占めしないなどモラルから竿数を決めることが必要になります。
ロッドポッドを使う場合
写真はシルヴァンさんが荒川で釣りをした時のタックルです。左側が下流で、穂先が多少下流向きになるようにロッドポッドをセットしています。1番の竿は最も岸に近く下流に向かって餌を打ち込んでいます。3番の竿は最も遠くで、岸から見て正面からやや下流に向かって餌を打ち込んでいます。2番はその中間的な位置です。岸から同じ距離に3本打ち込むのはあまり意味がなく、3本の条件がすべて違っていることが効果的な釣り方です。尚、鯉は餌に向かって下流から上流に泳いで来ることが多いと考えられているため、一般的にはラインが餌よりも上流になるようにします。
個別の竿掛けを使う場合
ロッドポッドが市販されるまでは、竿一本ずつ竿掛けを使用するのが一般的でした。代表的な竿掛けとしては、アングル竿掛け、ピトン竿掛け、バンクスティックなどです。鯉の取込みの際に隣のラインに絡まないように数mの間隔をあけてセットします。餌の打ち込み場所に応じて、取り込みが楽になるように竿の位置を決めます。写真は湖で流れがほぼない所ですので、竿のほぼ正面に餌を打ち込んでいます。
水門における並べ方
水門などのストラクチャがある場合、基本的にはその両サイドを攻めてみます。図は竿を2本ずつ左右に並べた場合で、片側の2本は距離を変えて打ち込んでいます。水門の正面は深く掘られていますが、底が泥が溜まっている場合は餌を打ち込まないのが無難です。尚、舟溜りに繋がった水門の場合は、舟が出入りするためにラインが引っ掛からない所に打ち込む必要があります。水門の左右いずれかに、杭があったり水底に著しい変化があったりする場合、思い切ってその変化がある方に竿を集中させる場合もあります。
舟溜りにおける並べ方
外に向かって突き出た蛇籠に沿って舟道があり、その水底が深く掘られているため人工的な駆け上がりが形成されています。また漁師が捨てる雑魚を狙って鯉が回遊して来る場所もあります。基本的な狙い目は、突き出た蛇籠の舟溜り側と、外側の両方を攻めてみることと、舟道の駆け上がりと駆け上がりから外れたすぐ上の両方を攻めてみます。舟の出入りでラインを引っ掛けられないように、必ずラインを沈てください。沈め方は、5号から10号程度の落とし錘にスナップを付け、投入後のラインに沿って落とし錘を岸際に沈めることでラインが水底を這うような形になります。