日本では釣り糸の太さを”号”という単位で表現します。では「号数と強さの関係は?」と聞かれると、普段自分が使用しているものは記憶にあると思いますが、それ以外はさっぱりわからない場合が多いと思います。ここでは、号数と強さの関係が簡単にわかる方法を解説します。
下の表をご覧ください。糸の号数と直径の関係を標準規格より抜粋してきました。これを見ている限り、どんな関係なのかさっぱりわかりません。では表の「断面積比率」の欄をご覧ください。規格の直径をもとにそれぞれの断面積を計算し、10号の面積を1としたときのそれぞれの比率を表現してみました。比率と号数がぴったりと比例していることがおわかりですか?糸の号数は断面積を表している数値ということができます。厳密にはもともと単位長さ当りの糸の重さを表現する数値で、商業上の取引きに用いられたそうです。材質と長さが一定なら重さは断面積に比例するわけです。
国内の釣り糸は強さが規格化されていないようで、メーカーや商品によって同じ号数でもいろいろな値が表示されています。私が普段使用している某メーカーのナイロン10号糸は強さが18kg と表示されています。これを元に先ほどの断面積比率を掛けて強さを算出したのが、表中の参考強さ(キログラム)の欄です。「10号は18kg」だけわかっていれば、後は号数比例で強さを暗算で算出することも可能です。さらに参考までポンド換算値も右に表記してみました。1kgは0.4536ポンドですから、 例えば10号の強さ18kgは約40ポンドに相当します。 ポンドを見てお分かりかもしれませんが、「号数の4倍がポンド数」と なっています。これならとても覚え易いですね。
表中の強さは、何度も言いますようにあくまでも私が単純に断面積比率から計算した値ですが、市販の釣り糸の強さ表示とそれほど差はないと思います。実際の糸の強さは、吸水状態、表面の傷の有無、あるいは結び方などによって表の値よりも相当低い値になっていると思われます。実際の強さについては、釣り雑誌などに掲載されていることがありますので、それらを参考にしてください。
最後に、本コーナーでは「強さ」という言葉を使用しましたが、工業的には「強度」と「強力」の2種類の算出方法があり、普段私どもが気にしているのは「強力」の方です。しかし、「強力」という言葉は一般にはピンときませんので、「強さ」という表現にしました。詳しくは下記のサイトを参照ください。
(参考サイト) ラインテクノロジー/YGKライン研究所