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鯉の概要 / 鯉の種類と特徴

淡水の王者と称される「鯉」は日本人にとって、古来から最も親しみ深い魚のひとつと言えます。分類学上の”コイ科”の代表種ですが、身近な淡水魚の多くがこの”コイ科”に属します。例えば、オイカワ、キンギョ、ヒガイ、フナ (キンブナ、ギンブナ、ゲンゴロウブナ)、モロコなどがあげられます。このページでは、鯉の種類とその特徴について解説します。

真鯉(Common Carp)

日本では、鯉釣りの対象として真鯉が一般的です。全身が美しい鱗で覆われているため、鱗鯉と呼ばれることもあります。写真のように背中が盛り上がった体高の高いものは一般に養殖種といわれ、体高が低く流線型のものが野生種とされています。しかし完全な野生種は、現代ではなかなか見ることが出来ないようです。鯉の地方名は色々ありますので、「 鯉の名前」のページを参照して下さい。

写真:地鶏オヤジさん

鏡鯉(Mirror Carp)

全身を鱗で覆われた真鯉に対し、鱗が極端に少ないものをドイツ鯉と呼びます。その中でも鱗が側線付近一列に不規則に並んでいるものを鏡鯉といいます。体型は全長の割には体高が高く、全体的に丸みを帯びた感じがします。鱗は不規則に並んでいるだけではなく大きさも不均一なため、日本人の目から見ると奇異な感じを受けます。これはヨーロッパにおける品種改良の結果生まれた品種です。

写真:Sylvain(フランス)

革鯉(Leather Carp)

同じくドイツ鯉の中でも鱗がほとんどないものを革鯉といいます。食用とする目的で、より鱗のない鯉をヨーロッパで品種改良した結果生まれたものです。日本ではごく稀に鏡鯉に近いものを見ることがありますが、この革鯉は見ることがありません。それは日本にドイツ鯉を移入した際に、日本の鯉との交配がなされたため鱗が入っているようです。詳しくは「ドイツ鯉の来日」のページを参照して下さい。

写真:Sylvain(フランス)

錦鯉(Koi)

日本において観賞用に品種改良された鯉です。そのため英語名でも日本語の”Koi”がそのまま用いられています。2003年から2004年にかけて国内で猛威を振るった鯉の病気「KHV」のKはKoiの頭文字です。錦鯉は非常に多くの種類に分類されますが、その中でも次の4種類が代表的です。
[ 黄金系 ] 文字通り黄金色を基本色とした品種です。
[ 紅白系 ] 紅白の2色からなる品種です。
[ 大正三色 ] 紅白と黒の3色からなるもので、黒は頭を除く胴体のみに入っています。
[ 昭和三色 ] 紅白と黒の3色からなり、大正三色との違いは黒が胴以外に頭や胸鰭にも入っている点です。
 

参考文献
1)「魚の博物事典」 末広恭雄 講談社
2)「魚の社会学」 加福竹一郎 共立出版
3)「図解早わかり 野ゴイづり入門」 山田勲 西東社

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