古くから「竿の持ち重り」という表現がよく使われますが、これはご存知の通り竿の重量と重心で決まる自重モーメントの体感の程度を指します。今回は実際にリールを付けた状態で、重心がどこにあるか測ってみました。重さはデジタルスケールを使い、重心はヒモで吊り上げてバランスする位置を見つけました。リールはABU BG7000HSで、カタログ重量は507gです。
結果を図に示します。上が小笠原、下が新鋭です。小笠原の重心は竿尻から890mmにあります。リール 込みの重量は1130gです。一方、新鋭の重心は795mmの位置で、1095gです。
竿のカタログ値では、新鋭は小笠原より80g軽いことになっていますが、ふたつのタックルの実測値では35gの差になっています。これはそれぞれの竿がカタログ値と若干異なっているためにこうした結果になっています。
この結果をまとめると、自重モーメントは新鋭が約13%程度小さく、小笠原よりも持ち重りがしないということになります。
ここまでスペック・外観・太さ・負荷をかけた時のカーブ・持ち重りについて新鋭と小笠原を比較しました。その結果言えることは、以下の通りです。
新鋭は水郷で使いやすい5mの長さでありながら手元寄りに重心があり、負荷がかかった時は#3からなめらかなカーブを描きます。その結果、手元にかかるモーメントが比較的小さいため、体力的に優しく扱いやすい竿と言えます。
また、負荷をかけた時の穂先のストロークは小笠原と同等以上にあるため十分な柔軟性を持ち、バラシのリスクやランディング・ミスに関しても安心して使えそうです。
実釣前のフィッシング・ラボ(架空)での事前検討は今回で終わりです。次回はフィールドで実際に活用してみた結果をお知らせします。