1999年1月、東京ビッグサイトで開催された国際つり博において、マルキューが配布した鯉釣り冊子「必釣 鯉釣り事典」の1ページです。B5サイズ40ページからなる冊子の表紙には「監修:武石勝雄・黒川毅・坂入一敏」と記載されています。マルキューの展示ブースでは、いくつかの釣種に関してインストラクターの講演があり、鯉釣りの講演者は武石さんでした。講演において配布されたのがこの冊子です。表紙をめくると武石さんのプロフィールと、当時発売していた鯉釣りビデオの広告が掲載されています。
写真の下のサインは、当時8歳の長男が講演を終えたばかりの武石さんに直接お願いして書いて頂いたものです。快く書いて下さったことを、長男は今でも鮮明に覚えているようです。それから10年くらい経って北浦で武石さんにお会いした時、このことを申し上げた所、ご本人はサインのことまでは覚えていらっしゃらなかったのですが、当時のことを目を細めて話して下さいました。
ところで、私が鯉釣りを始めた頃、武石さんのビデオは教科書的な存在だったことを思い出します。最初は大粒でばらけ易い餌をうまくダンゴにすることができず、投入の時に爆発してしまったり、練り込みすぎて仕掛けを回収したときにダンゴがそのまま残っていたりしました。ところがこのビデオを見て初めてダンゴの握り方を知り、それからはダンゴのトラブルはなくなりました。
この冊子の中でもうひとつ興味深いのは、武石さんが紹介している仕掛けです。お馴染みの4本鈎の大物制御仕掛けの内、喰わせ餌を付ける鈎がヘアリグになっている点です。「ヘアリグ」という言葉は使われていませんが、イモヨウカンを鈎に直接つけるのではなく、ヘアの部分に付けることを解説しており、私が知る限り国内では最初のヘアリグの紹介ではないかと思います。この喰わせ仕掛けのメリットを次のように紹介しています。「ハリ掛かり抜群!硬い(エサ持ちの良い)エサを付けられる。ハリよりも大きい食わせを付けられる。」
スクラップブック / Page2:マルキュー 必釣 鯉釣り事典 1999年広告
掲載日:2013年9月23日