カーゴスペースのベッドの底板、兼収納蓋を、車の曲線に沿って作ります。なんとなく出来上がりのイメージが湧いてくる状態になりました。続いて、セカンドシートスペースにベッドの基礎構造を作りますが、今回の改造の最大の難関ともいえる工程です。福田さんと何度も相談した結果、セカンドシート周りに着脱可能な鉄フレームを取り付け、その上にベッドを置く構造に決めました。また、セカンドシートの間にセンターコンソールを作り、普段は小物入れとして使用し、ベッドを設置するときは周辺の鉄フレームとともに、真中でベッドの荷重を支えるようにします。福田さんを悩ませたのは、着脱可能な鉄フレームをどうやって支えるかでした。
カーゴとセカンドシートスペースの基礎構造
散々悩んだ挙句に、以下のようにしました。左右のセカンドドア内側に沿って前後に鉄フレームを渡します。これは、セカンドドアの前後の壁にブラケット(受け金具)を取り付け、鉄フレームを引っ掛ける構造です。この二本のフレームの間をつなぐように、運転席の背後付近で横断する鉄フレームをさらに取り付け、結局三本の鉄フレームで「コ」の字の構造をつくります。
ブラケットは荷重がかかってもびくともしないように、車体の鉄構造に直接ボルトを追加して固定しました。ボルトの位置に合わせて内装カバーに穴を開け、そこに福田さんハンドメイドのブラケットを固定します。ブラケットは全部で4箇所取付けました。一通りできたところで鉄フレームを仮組みし、出来具合を確認しました。
セカンドドア前の壁に追加したボルト(赤の四角)
福田さん:「(心配そうに)こんな感じですけど、どうですか・・・」
mi○:「なかなか良いじゃないですか!簡単に着脱できるし、強度もありそうですね。」
福田さん:「(安心したように)実はこの間”できる”とは言ったものの、だいぶ悩みながら作りました。、ブラケットも何度か作りなおしたんですよ。普段車に乗る時は、ブラケットは邪魔にならない安全な位置にしました。鉄フレームもあまり重くないと思います。今まで時間ばっかりかかって申し訳ありません。」
赤で囲ったボルトが出るようにカバーに穴開け
ブラケットの製作(鉄板を切って溶接)
仮組みなので鉄がむき出して無骨な感じがしますが、この後車の内装カラーに合わせて塗装をするそうです。車の塗装屋さんに依頼するとのことですので、仕上がりが楽しみです。さらに、セカンドシートのセンターコンソールについても相談し、これでベッドの基礎構造の見通しがやっと立ちました。この後はベッドマットやセカンドシートセンターコンソールなど、比較的作りやすい部分の製作に移りますので、一気に進むことが期待されます。
前側のブラケット(仮組み状態)
後側のブラケット(仮組み状態)
福田さんを訪ねると、車の話の後は必ず鯉釣り談義になります(笑)。春のポイントの話などをしてると、早くこの車で釣り場に出掛けたくなってしまいます。考えてみると、ここまで面倒な改造を色々悩みながら対応して下さるのも、福田さんが、ご自身の車中泊経験にもとづいて、少しでも使い勝手が良くなるようにと配慮して下さっているからだと実感しました。細部へのこだわりには本当に頭が下がる思いです。