これまでは撮影のポイントについてお話してきましたが、このFスタジオでは実践編として、釣り場での一連の写真撮影作業についてフィクションでお送りしたいと思います。
さて週末は釣りに行きます。釣り道具は準備できたし、食事や寝具の準備もOKでガソリンスタンドにも行った。携帯も充電したし・・・ おっとそのついでにデジカメも充電しましたか?デジカメのメモリーも空にしてありますか?使うときになって慌てないように、しっかりチェックしておきましょう。特にバッテリーはフル充電で行っても、意外とはやくなくなるものですので「これくらいでいいや」なんて思わずに必ず充電しましょう。
週末の夜、釣り場に到着。竿のセットも終了! 今日は仕事で疲れたので早めに寝ることにします。夜中にアタリがあるかもしれないから、ヘッドライトは取りやすい所に置いて、センサーの受信機もセットしたし・・・ではおやすみなさい。
夜中の2時、センサー音とともに車から飛び出し、穂先が湖面に突き刺さらんばかりの竿を手に取りぐっと引き寄せますが、リールから糸がどんどん引き出されます。やっとの思いでタモ入れした鯉は、どうやら自己新記録の大きさのようです。検寸して写真撮影したいのですが、夜が明けてからやることにして、とりあえずはライブバックに入れてキープします。
朝、昨夜の喜びのせいか少し早く目が覚めました。ちょうど地平線から太陽が顔を出し始め、湖面を照らしています。コーヒーを入れて過ごすこの時間は、いつもよりゆっくり流れる至福の時です。車からカメラを取り出し、朝焼けに向って一枚。隣に竿を出した人は昨夜私が寝てから到着したらしい。車から降りてきたので挨拶し、暫く歓談しました。昨夜の話をしたところ、「それでは一緒に検寸してあげましょう」ということになりました。鯉を痛めないように、まずはレジャーシートを敷き、その上に検寸台を置きます。検寸台は水平に置かないと鯉を置いた時にずれてしまうので注意します。おっと台の向きは、カメラマンが太陽を背にしないようにしなくっちゃ!ライブバックから慎重に鯉を出し、検寸します。撮影の前に、鯉についた草などを除くために水で流しましょう。鯉がきれいになったら、暴れないうちにシャッターをきりましょう。念のためにさらにもう一枚撮っておきます。万が一ピントがずれていたりしたらせっかくの新記録の写真が台無しです。2枚撮っておけばまちがいないでしょう。
次に鯉を持ちますが、この先はカメラは隣の人にお願いする事になります。予めズームを広角側にしてカメラを渡しましょう。「シャッターを押すだけでいいですよ!」 鯉を持つ向きは一般的には右手に頭がくるようにしますが、鱗の並びなどから反対側がきれいな場合は、左手に頭が来るようにしても構いません。鯉を持ったらヒジを伸ばして、自分のアゴが隠れない高さにします。準備ができたらカメラマンに「鯉の頭と尾ビレが写真の幅一杯に入るように写してください!」とお願いしましょう。念のために何枚か撮ってもらうと安心です。アングルを変えてみてもいいでしょう。デジカメは失敗したら消せばいいので、可能な限り撮影してもらってください。
撮影が終了したら、すぐにリリースします。検寸の後片付けをしている間に、今度は隣の人にヒットしました。今度は自分がカメラマンになって撮影してあげましょう。やり取りしている表情や竿のしなりなど、シャッターチャンスは一杯です。可能な限り撮り続けましょう。また、今度は先ほどのお返しに取り込んだ鯉の検寸も手伝います。希望があれば鯉の撮影もしてあげましょう。撮った写真のデータやプリントアウトした写真を送るために、メールアドレスの交換や住所の交換などをしたら、もうその日から鯉仲間です。この先、ますます楽しく釣りができることでしょう。
さて、これまでお話してきた写真撮影、いかがでしたでしょうか。私自身も素人なので、ポイントといってもごく当たり前のことしかお話できませんでしたが、たったこれを守るだけでも今までよりちょっとは鯉が立派に写るようになると思います。そんな偉そうなことを言っている私も、時々失敗することもありますが、大事なのは釣りそのものを楽しむことであって、その楽しい思いでを残すのが写真なんだと屁理屈をつけては、自分の未熟さをごまかしてる状態です。このページが多少でも皆様の参考になることをお祈りします。
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実践!釣り場での写真撮影