はてさて、多少でも荒川で釣果が出るようになると「ちょっと遠征でもしてみようかいな…」ってな気持ちになります。大ゴイ倶楽部やマルキューさんのビデオを見ると簡単に鯉が釣れそうな気がする(そんなわけ無いのにねぇ:笑)し…と。
私が北浦に始めて行ったのは、今から8年程前になりますかねぇ…。びっくりしましたよ、ピトンの竿掛けなんて知りませんでしたから。しかも玉網まで竿掛けを使ってカッコ良くセットしてある。自作の飛ばないセンサー持って意気揚々と乗り込みましたがビビッて…松田聖子さんの様にひらめいたのではなく…参りました。何か竿の向きが逆ジャン?(穂先がこっち向いている訳じゃナイゾー!)何だアレッ!って感じ・・・、わかります?未知の世界に足を踏み入れてしまったというかなんというか、そんな感じ。
その瞬間、両軸リールは私の憧れの世界になってしまったわけです。カッコから入る悪い癖が出て、帰って直ぐ両軸リール買いに行きました。買ったのはペンの500L、確か一万円位でした。それを「鯉スペシャル」にセットして・・・今じゃ笑い話ですがね「鯉スペシャル」って竿、マミヤさんのだって知らなくて上州屋のオリジナルがそれだと思っていたんですよ。マミヤさんの巨鯉竿使っていたんですが「鯉スペシャル」店に在庫を持っている釣具屋は無かったし、その巨鯉竿だって大ゴイ倶楽部の裏表紙に写真が出ていなかったら知らなかったです。大ゴイ倶楽部の記事に「鯉スペシャル」って良く出ていたじゃないですか?だからね・・・間違えていたんですよ!その勘違い「鯉スペシャル」にペン500Lのセットで第一投、グシャグシャグシャ・・・バックラッシュです。その後も何度も何度もバックラッシュ、バックラッシュ、バックラッシュ!一ヶ月くらい練習しましたが、投げられる様にならなかったので遂に断念。そのままお蔵入りとなりました。
次に両軸リールを手にしたのはそれから1年半ほど経ってからです。本物の「鯉スペシャル」を手にしてから(笑)ですね。はじめはやはりスピニングで使っていましたが、竿が3本になった時点でスピニングリールであるシマノ製パワーエアロが2台しかなく、しかもそのリールは生産中止で手に入らずどうしようかと思っているとき、やはり釣具屋のセールでアブ7500C3が一台2万円でした。当時私が行っていた釣具屋ではアブ製品って高かったし、そんなに値引きもしていなく、確か28000円以上していたと思います。リールなど全然買うつもりは無く、セールをのぞいただけのつもりが思わず買ってしまいました。一緒に行った娘が「あ~、パパ、リール買ったの?ずる~い!」と言われ、「ママに内緒だよ!」ってアイスクリームを買ったことを覚えています。結局、努力の甲斐なく帰ったとたんにバラされましたが…(笑)。
早速練習に行きましたよ、寒い中(確か年末のバーゲンで手に入れた)でしたが。以前の経験から半年練習すれば投げられるようになるだろうと思いまして…。まず、第一投め。ブレーキはキツメに締めそぉっと投げてみる。シュー、ポチャン、出来た!!拍子抜けするほど簡単に出来た!何度も何度もやってみる、出来る出来る!たいしたもんジャン、子供が始めて自転車に乗れた様にうれしかった。「スゲーじゃん、アブって!」って本気で思いました。今でもアブ製品は鯉師に絶大なる人気機種ですし、ほとんど両軸ユーザー鯉師の方々(クドイ!)はいずれかの機種を使ったことがあるのではないでしょうか?その後、私は鯉スぺ遠投+9000C J-SPEED → 鯉スペ遠投+カルカッタ700 → 野鯉+海塊(タナトル)とタックルも変わっていきました。それではインプレッションを・・・
アブ社:7500C3
7500C3 初めて投げられるようになった機種。糸巻き量は8号200m、10号200mでもOKだったが、私には8号200mの方が使いやすかった。1台、また1台と追加し最終的には6台使っていました。今でも人気機種で、現在では当時とはロゴが違うモデルになっているようですが安心して使えますし、これから両軸リールを使おうと考えている方は必ずといっていい程この機種は候補に入るでしょうね。なんといってもこのリールの特徴はレベルワインダーがついていることでしょう。それがメリットでもありデメリットでもあると思います。初めて両軸リールを使う方や使い初めて間もない方にとって、レベルワインダーはすばらしいアシストをしてくれます。ラインがきれいに巻かれるのでバックラッシュの防止になりますし、魚がかかった後のやり取りも落ち着いて出来ます。このように何より精神的に安心できるのが最大のメリットだと思います。しかし、ラインの放出時にはレベルワインダーに必ず触れて出て行くわけですから投入時は絶えずサミングしているのと同じ状態です。その特性を上手く使えばこれまた良いのですが、やはり遠投には限界があると思います。ただ、闇雲に遠投すれば釣れるわけでは無いので誤解しないでくださいね。サイズはやや小ぶりで持ち運びにもちょうど良いですね。
ラインの巻き取りスピードも通常の7000番よりは相当速いですが、思いっきり速いという訳ではありません。また、クリック音にバラつきがありますのでクリックを使う方は購入時に必ずチェックしましょう。まぁ、現在ではセンサーを使うことが多いのでクリックは必要無いという方もいらっしゃると思いますが、基本部分ですからね。また、リセールバリューも高いです。買い替えを考えるならこの事も頭に入れておきましょう。どんなに質が良い物でも人気が無いと売れません。逆に人気があるものなら多少の不具合があってもそれなりの価格で取引出来ます。
また、アブの7000番シリーズは数多くのパーツが様々なところで発売されているようなので、得意な方はそれらを使って改造も可能です。また、メンテナンス方法をHPにて公開されている方(c-friendのkumさん、いつもお世話になります。)もいらっしゃるので安心です。
私自身は7500C3を2年ほど使用しましたが、霞ヶ浦:柏崎にてこのリールが全然巻けないほどの大物がヒットし、ズルズルとラインを引き出され逃げられました。本当に巻けなかった・・・逃した獲物はデカイというが、そんな引きをする魚は初めてだったので松田聖子(ビビッテ)してしまいました。それが、9000番に移行するキッカケになりました。
アブ社:9000C J-SPEED
次に使ったのはこれです。通常の9000番は2段ギアが搭載されていますが、これシングルギア、しかもジギング用の高いギア比の設定になっています。以前お話ししたとおり私はギア比が高いモデルが好きです。ゴミや掛かりの多い荒川で始めたせいでしょうか?仕掛け回収時、底をズッテ巻いてくるようなことは絶対にしちゃいけないと思っています。それぞれの釣り場の環境によって機能の優先順位は変わると思いますが、わたしにとってはこれが一番です。ギア比が高いと魚がかかった時の焼き鳥…違った、やりとりに支障があるとおっしゃられる方もいらっしゃいますが、私はゆっくり巻けば良いと思うし、事実それが原因で魚をバラシタ事はありません。それよりも魚を止められず杭や掛かりに巻かれ悔しい思いをした事の方が数知れませんです、ハイッ。
そうそう、自分の腕の悪さを道具のせいにして道具を替える、私よくやる手です。(笑)たとえば、私ゴルフもちょっとかじりますが、易しいクラブに替えるって事時々やります。でも結局スコアは縮まりません。言い訳ですね、モノを買うための…。私、幸い収集癖は無く大切にモノを保存する事出来ませんです。新しい道具を購入するに当たって現在の道具を下取り等処分して次のモノを買ってしまいます。だから、いろいろな道具使いましたがほとんど残っていないです。その件で残念だったなぁと思っているのは「マミヤ製の鯉スペシャル」を手放した事ですね。自分で3本買って、知り合いの方に状態の良い中古を譲ってもらって計6本持っていたんですが、今使っている野鯉が欲しくて売っちゃいました。今、考えるとアレ良い竿でしたね。穂先が弱い(細い)事が若干気になりますが、胴の強さもあって、デザインも良かったし・・・今まで使った竿の中で一番良かったかも!?って思っています。おっと、大分脱線しましたね、話を9000番に戻しましょう。糸巻き量は10号が250m、多分300mいけると思いますが・・・。私はバックラッシュ対策で糸巻き量を少なくしています。大分なれたつもりではいますが、やはり夜間などは不安ですし、未だに時々バックラッシュしてしまいます。もっとも最近霞等ではタニシばかりなのでバックラッシュする暇ありませんが(笑)。この頃からライン10号を多用する事が多くなってきました。特に霞・北浦では絶対に10号を使うようになりました。例のズルズル事件があってからです。相変わらず荒川では8号ですから7500番を荒川で、9000番を霞でと2種類使い分けていました。使い慣れていたせいもあるかもしれませんが、7500番の方がスプールの回転などスムーズに感じました。アブ製品は買ったままの状態で使用するよりも一度メンテナンスしてから使うといいのかもしれませんね。
ある秋も深まった日、何かの拍子で9000番を荒川に持って行きました。私の好きなポイントで杭が乱立しているポイントです。その日はなぜか調子が良く、3本出していた竿にとっかえひっかえ当たりが続きました。しかし、杭に巻かれ半分も取れません。何度もラインを持って切るんですけど、スプールをきつく締めても簡単に糸がズルズルって出ちゃうんですね。ズルズルのトラウマ、私には結構厳しいものがあります。結局、何度も使わないうちに手放しちゃいました。巻き取り速度もちょうど良く、ラインストック量もバッチリ、コンパクトで見栄えがするので良かったんですが・・・。アブのリールはどのサイズでもコンパクトですよね。これも購入時の選択基準に入れてくださいね。車の釣行が多い方は全然関係ない話かもしれませんが、自転車やバイクでの釣行が多いとリールの持ち運びも結構大変です。出来れば軽量・コンパクトでパワーがあってかっこいいものとなりますから、アブ社さんの製品はポイント高いですよね。値段も以前は高かったですが、現在はそれよりも更に高い国産のモノが主流になっている様ですからねぇ。この9000C J-SPEEDは現在カタログ落ちしてしまったようですが、一部マニアの方々には絶大なる支持があるようです。私の友人である痔鳥オヤジさんもその一人で、まだ手に入れたいようですがなかなかいいものに巡り会わないと申しておりました。また、それに良く似たモデルとしてシングルギア仕様というのが出回っていますね。カタログモデルなのかよくわかりませんが?
アブ社さんのリールはクラシックシリーズとモラムシリーズがあります。私はモラムシリーズを使ったことが無いのでハッキリしたことはわかりませんが、最新のモラムシリーズはもっと使いやすいのだと思います。そう言えば、マミヤさん、アングラーズ・ジャパンさんと輸入代理店が無くなった現在、輸入代理店はどこにになっているんでしょうか?また、修理なんかの取り扱いは大丈夫なのかなぁ???ご存知の方、いらっしゃいます?教えてください。
そして、これに替わるリールとして手に入れたのが、カルカッタ700です。いよいよ国産シリーズに・・・おしまい。