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大型リール登場

初版 2009.9.6|改版 2026.1.4

Ambassadeur 8000

 

出典)ABUリール大図鑑 グリーンアロー出版社 p77

 
1965年、ABUから初めて登場した大型リールが、この「Ambassadeur 8000」でした。販売当初はスウェーデンとアメリカでの展開に限られていたようです。
 
特徴としてまず挙げられるのは、レベルワインドが省かれている点。そして遠心ブレーキは3ブロック式を採用。ギヤには、当時としては画期的な「自動二段変速機構」が搭載されていました。これはドラグが効いてラインが引き出されると、自動的にギヤ比が低速に切り替わるというもので、通常時は4.25:1、減速時は2.5:1という比率になっていました。
 
リールフットの構造も変更されており、5000シリーズではシャフトにロウ付けされたタイプでしたが、8000ではプレス加工による一体型パーツへと進化しています。
 
サイドプレートは鮮やかな赤。スタードラグはハンドルよりも外側に装着されており、右側のサイドカップは、自動二段変速の機構部分が張り出した特徴的な形状をしています。この張り出しは、現在のABU大型リールにもそのまま受け継がれています。
 

Ambassadeur 9000

 

出典)ABUリール大図鑑 グリーンアロー出版社 p78

 
1969年に登場したのが「Ambassadeur 9000」です。とはいえ、このモデルには少々興味深い経緯があります。
というのも、8000の発売からわずか2年後の1967年カタログには、なぜか8000が「9000」という名称で掲載されているのです。そして正式にマイナーチェンジを経た9000が、世界共通モデルとして世に出たのが1969年というわけです。
 
主な変更点は、8000および初期の9000ではスタードラグがハンドルの外側に配置されていたのに対し、新しい9000ではこれがハンドルの内側に移された点が挙げられます。
 
この9000の登場により、8000はその役目を終え、カタログから姿を消すこととなりました。
 

Ambassadeur 7000

 

Ambassaduer7000(フットNo.910504)

 
意外なことに、「Ambassadeur 7000」の登場は9000よりも後の1972年。投げ釣りに適したモデルとして設計されており、サイズ的には6000と9000の中間にあたります。
 
重たいオモリをしっかりと投げられるよう、4ブロック式の自動遠心ブレーキを搭載。5000シリーズゆずりのレベルワインドも備えており、さらに9000シリーズと同様の、プレス加工による一体型リールフットを採用することで、強度面にも配慮がなされています。
大型ながらも、扱いやすさと投げやすさを見事に両立したリールと言えるでしょう。
 
Ambassadeur 7000とベアリングの採用事情
7000や9000にまつわる不思議な点として、初期モデルでボールベアリングが採用されていなかったことが挙げられます。
実は5000シリーズでは、すでに1967年にはベアリングを採用し、「5000C」として登場していたのです。それにもかかわらず、後に登場した7000や9000では真鍮ブッシュが使われており、ベアリングが採用されたのは9000Cで1975年、7000Cにいたっては1982年と、ずいぶん後のことでした。
なぜこれほどまでにベアリングの導入に慎重だったのか──残念ながら、現時点で信頼できる資料はなく、その理由を明確にすることはできません。


 
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