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青魚釣りの現場

初版 2024.9.29|改版 2026.1.4

青魚釣りの現場のようすをご紹介します。
この文は2024年9月の釣りの記録から一部抜粋したものです。釣り人は盟友の並継こぶちゃんです。


 

2024年9月 霞ヶ浦

 
二週間ほど前から、天気予報がどうにも気になって仕方ありません。霞ヶ浦釣行の日は、当初からずっと雨の予報。更新されるたびに、傘マークがついたり消えたりの繰り返しです。南海上にある低気圧は台風に発達しそうな気配で、ますます目が離せません。そんな中、ありがたいことに初日だけは天気が持ちそうな気配となりました。
前日には、「一晩勝負になりそうだねぇ」と、こぶちゃんと連絡を取り合いながら釣行の準備を整えます。
 

快晴の初日、いよいよ現地へ

迎えた当日。こぶちゃんはいつも通り朝早く現地入り。私は少し遅れて、昼前に現地到着。風は穏やかで、空はどこまでも澄み渡っています。ふたりとも、この秋最初の釣行です。久しぶりに引っ張り出したタックルを手に、静かにセット。「当たってくれるといいなぁ」と、心の中でそっと願います。
 

炭火と鍋と、穏やかな夕べ

日が落ちる少し前から、こぶちゃんが炭を起こし始め、そしてしばらくして豪華な鍋が完成。
鍋を囲んでいると、突然こぶちゃんのセンサーが反応。「そら来た!」と声を上げて駆け寄りますが、穂先は無反応。「魚が寄ってきただけかな?」と、そのまま竿を静かに放置。この竿が、のちの大仕事を担うことになります。
風が少し強まり始め、波立つ湖面が護岸にあたってゴボゴボと音を立て始めます。これが、今夜の当たりを予感させる音に聞こえてきます。
ふたりで語らいながら、ゆっくりと鍋をつつく夜。虫の声が騒がしくも心地よく、静かな水郷の夜がやさしく包み込んでくれます。
 

深夜のアオ、いざ勝負のとき

お腹も満たされ、眠気も出てきたため、少し早めに車へ戻ることに。こぶちゃんからは、発信機と受信機を1台ずつ受け取りますが当たったときに知らせる用の発信機、こぶちゃんに当たりが来たときのための受信機。これが、のちに大活躍することになります。
 
そして、その時が来ました。時刻は午前0時前。受信機が鳴り、こぶちゃんの竿、さっきの3番に再び反応です。私が駆け寄ると、すでにこぶちゃんがやり取りを開始していました。
「乗った?」
「アオ!!」
すぐにタモを手にし、気をつけて護岸を降りていきます。ヘッドライトで湖面を照らし、慎重に見守ります。最初に姿を見せた時、こぶちゃんが「ちっちゃいな」と言いましたが、私は「いや、結構でかいよ!」と応じます。水中では比較対象がないため、実際より小さく見えるのです。
 

 
時折激しくラインを引き出すアオ。両手で竿を持って必死でキープするこぶちゃん。リールを巻いては引き出される攻防が続きます。3段のタモの柄を目一杯伸ばしてスタンバイ。湖底を這うような重量感から徐々に浮き上がり、口先をほんの少し水面から出させて、それ以上でも以下でもないラインテンションを維持することが確実に取り込むコツです。それでも時折激しく潜り込みます。
 
後にこぶちゃんはこう語っています。
「やり取りの最中、魚影は小さく見えたがなかなかのファイトで、愛竿のしなりと久々に聞く糸なりを十分に楽しませてくれた。」
 

見事ランディング

根気強いやり取りがしばらく続き、こぶちゃんの疲れが見え始めた頃、ゆっくりとアオが水面に横たわり、構えたタモに吸い込まれました。
「やったー!」
タモに入ったままラインを外し、ハリスだけ残します。これで竿を痛める心配から解放。そして二人で全力でタモを持ち上げてマットにランディング
「でかい、でかい!」
 

 
タモから出して撮影タイム。夜間なので慎重に何枚も撮影します。その間、こぶちゃんの笑顔は最高でした。精魂尽きたアオは、マットの上でおとなしく横たわっています。いい子、いい子…。
 
撮影を終えた後、マットごとそっと護岸の縁へ。なるべく水面に近い場所で静かにリリースすると、アオは一瞬の迷いも見せず、スーッと湖へ帰っていきました。当たりから30分ほど経過。
 
こぶちゃんの言葉です。
「二人でマットに引き上げた時、激闘の余韻に浸りながらアオのその大きさにただただ満足感に浸っていた。この瞬間のためにアオを追いかけている。還暦を過ぎた今、アオ釣りは単独では来れない。年に何回と来れる釣りでもない。」
 
の方はというと、汗をかいたのと興奮がつづいているのとで、車に帰っても目が冴えています。ウチワであおぎながら、三日月をずーっと眺めていました。