病気
《要約》
- 傷やストレスで免疫が低下した鯉は、水生菌病やカラムナリス病などにかかりやすくなる。
- 寄生虫によるチョウ症や白点病も多く、いずれも外傷や水質悪化が発症の要因。
- コイヘルペスウイルス病(KHV)は致死率が高く、2003年には霞ヶ浦を起点に全国で大流行した。
- 病気予防の基本は、釣り人による丁寧な取り扱いと魚への負担軽減にある。
鯉釣りをしていると、時折、体調のすぐれない鯉が釣れることがあります。あるいは、釣り人の扱いによって傷ついてしまった鯉が、後に病気を発症することも考えられます。
このページでは、そうした鯉がかかりやすい、いくつかの代表的な病気についてご紹介いたします。
水生菌病(ミズカビ病)
頭部や尾のまわりなどに、まるで綿のような菌糸が付着する病気です。進行すると皮膚やヒレが損なわれていきます。水中には常に「水生菌(サプロレグニア)」が存在していますが、普段は鯉の免疫力によって抑えられています。ところが、体表に傷があったり、ストレスなどで免疫が低下していると、発病することがあります。
カラムナリス病(エラ腐れ病・口腐れ病)
エラ蓋を開けるとエラが白く変色していたり、泥をかぶったような状態になっていることがあります。また、口元が黄白色や赤くただれる症状が見られることもあります。水温の急な変化や水質の悪化が引き金になることが多いようです。
チョウ(ウオジラミ)症
鯉の体表にすり傷のような跡があったら、そこをよく観察してみてください。吸盤のような形でくっついている、小さな丸い虫が見つかることがあります。これが「チョウ(ウオジラミ)」と呼ばれる寄生虫です。寄生された鯉は体を水底や岩に擦りつけるような動きを見せることがあります。寄生数が多くなると、鱗がはがれたり、貧血を起こすこともあります。
白点病
体の表面に、白い小さな点々が多数現れる病気です。これは「白点虫」と呼ばれる原生動物が寄生することで発症します。他の鯉への感染力も強く、養殖場などでは注意が必要です。
コイヘルペスウイルス病(KHV)
2003年の秋、霞ヶ浦で養殖鯉が大量に死んだことで知られる、たいへん致死率の高いウイルス性の病気です。エラの腐れとともに発症し、短期間で命を落とすことも少なくありません。幸い、鯉以外の魚には感染しないとされています。
上記のほかにも、「穴あき病」や「運動性エロモナス症(赤斑病・立鱗病)」、「イカリムシ症」など、さまざまな病気が知られています。釣り人としては、できるだけ魚に負担をかけないよう丁寧に扱うことが、何よりの予防策かもしれません。
詳しい情報につきましては、下記の参考文献・サイトをご覧ください。
《参考文献・サイト》
• 『魚の生活』 末広恭雄著 ベースボールマガジン社
• 福島県内水面水産試験場
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/37400a/