<< PREV  |  MENU  |  NEXT >>
第8章 ガイド取付け~完成

 ここでは、竿作りの最後の仕事になる「ガイドの取付」について説明します。
ガイドとは、ラインを抵抗なく出し巻き出来るようにするためのものであり、釣る対象魚によって、またその釣りのスタイルによって様々な形状があります。
 
 私は、リングにSIC素材を用いられたガイドを使用しています。SICには、大物とのやり取りの最中、ガイドとラインの接点に生じる高熱を、素材の特性で逃がすという放熱効果があり、最も優れた素材であると言えます。ガイド本体は、錆びにくいステンレス製の物を使います。更なる剛性と軽量化を追求したチタン製の物も販売されていますが、かなり高価になるので、使用する際はお財布と相談になります。
 
 私の鯉釣りスタイル(ベイトリール)に適しているガイドは、両足タイプの比較的小型の物がよく、セットで購入する場合は「石鯛用」にしています。(18尺用の個数がセットになっています。これをSSに使用する場合は2~3個残ります。これは予備として保管します。)今回、SS3用のガイドは、ネットオークションにて8,000円位で購入しました。ばらで、必要な個数だけ購入する際は、神田の櫻井釣具が便利です。そこには、金メッキを施したものや、リングにクリスタルを用いたものなど、多くの種類の中から、自分の気に入った物が選べます。また、次にお話します「取り付け位置」等も、専門家が親切に相談にのってくれます。したがって、櫻井釣具でガイドを購入する際は、竿を必ず持参する事をお忘れなく。
 
ガイドを購入したら、いよいよ取り付けです。これは、何メーターの竿に何個と決めることではなく、竿1本1本の特性を活かして取り付け位置と個数を決めていきます。竿が引き込まれた際、ラインが竿に干渉するようでは個数が少なすぎますし、また無用に多くつけるのも竿の調子を崩してしまいます。ガイドは必要最低限の個数にするべきです。
 
 位置決めは、まずトップガイドとリールシートの上の元竿のガイドを仮止めします。実際に竿をしならせ、曲がりの頂点が次のガイド位置。そのガイドを中心に穂先側に数個、元側に数個と竿を締め込んだ際にラインが竿本体に干渉しないレベルで位置を決めます。
ガイドの仮止めには、接着剤は用いず、私はマスキングテープ等の剥がしやすいテープを使います。接着剤では、ガイドの位置を変更する際に、竿本体を汚してしまい、折角の塗りが台無しになってしまうからです。
 
 ガイドの位置が確定しましたら、一度仮止めを解き、ガイドを外します。もちろん目印は必要です。取り付けの糸巻きを行う前の下仕事が、これから行うガイドの足仕上げです。卓上用万力があれば便利ですが、ガイドを乗せ、水平に置けるかチェックして下さい。狂いがあれば、ここで修正しておきます。次に足を仕上げます。やすりを用いて足先を削ります。糸が巻きやすいように、足に対して垂直方向にやすりを当てましょう。不規則にギザギザを付けると、糸巻き中に糸が切れてしまうことがあります。あまり力を入れず、丁寧に行って下さい。
 

ガイドの糸巻き(ナイロン補修糸を使用)

  
 下仕事が終われば、取り付けにかかります。位置決めの際に付けた目印に合わせて、再びマスキングテープでガイドを取り付けていきます。この際のポイントは、ガイドの足全体にテープを巻くのではなく、リング寄りに3mm位の幅のテープを巻き固定する事です。なぜなら、糸を巻く時は外側から巻いて行きますので、足の先を糸で固定してから、テープを剥がし、ガイドの元(リング)まで糸を巻き仕上げて行くからです。
 
 この糸巻きも、竿の下地巻き同様、糸同士が重なることなく、隙間なくきれいに巻きます。結び目等を作ることもNGです。そしてある程度のテンションをかけながらしっかりと巻きましょう。ガイドの取り付けには、接着剤は使用しませんので、この糸巻きだけで、しっかりと固定しなければならないのです。使用する糸は、強度を必要とするので、ナイロン製の補正糸等、強度のある糸を使用する事が望ましいです。SS3では、やや太めのナイロン補修糸を使用しました。
 
 全てのガイドの取り付けが完了したら、糸の処理を行います。 良く切れるカッターで、表面に切り口が出ないように、丁寧に処理して行きます。最後に、楊枝の先で、瞬間接着
剤を糸の巻き始めと巻き終りの部分にごく少量付けます。
 
 次に、糸巻き部分の塗りに掛ります。一般的には、エポキシ塗料でコーティングする方法が主ですが、SS3では、胴塗りと同様に、ウルシを使い仕上げていきます。あまり派手な色使いは好まないので、「黒の単色から紅留で仕上げ」にして行きます。
 

ガイドの糸巻き塗りを終えてステッカーを貼り完成

 
 最初に黒を塗ります。糸目が見えなくなるまで数回、塗と研ぎを繰り返します。(胴塗りと同様)次に、紅留を薄く数回塗り仕上げます。ここでも、1回の塗り→乾燥→研ぎで1週間ペース。黒を3回、紅留を2回としても5週間掛ります。塗りも胴塗りとは違い、大変細かい作業になりますので、かなりの時間が掛ります。私の場合は、1回の塗りに1時間は必要です。研ぎでもそれ位の時間を掛け、とにかく丁寧に行っています。完成が間近だとついつい焦りたくなりますが、とにかく丁寧な仕事を心がけます。
 
 これで、素材選びから、1年半の作業が終了です。柔らかい布で、丁寧に磨きを掛け、完成したこの気持は、今までの作業を行った者しか分からない満足感があります。最後に「隅田川Special」のオリジナルステッカーを貼って完成です。
 

 
 この冬、隅田川で実釣し、調子や使い勝手等を、またお知らせしたいと思っています。長いこと、お付き合い頂き、ありがとうございました。こだわりの竿作り、皆さんもチャレンジしてみて下さい。「自分だけの竿で大物を釣る」 楽しいですよ!
 
~並継こぶ~

<< PREV  |  MENU  |  NEXT >>