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新鋭振出石鯛

実釣フィーリング

初版 2023.5.14

このコンテンツの締めくくりとして、実釣でのフィーリングをお伝えします。
 

 
超大型の釣果を待っていたのですが、そんな時に限って掛かるのは小物ばかり。ようやく2023年シーズンに、この竿にふさわしい良型が来てくれました。相手は青魚152cm。
 

首振りをいなす竿のしなやかさ

青魚の特徴は、合わせ直後に激しく頭を振ることです。魚体が大きいぶん、その振幅は鯉とは比べものにならず、この動きでアオウオだと判断することが多いものです。
 
新鋭石鯛は以前の回でお伝えした通り、小笠原に比べて手元寄りからカーブを描きます。このため、青魚の首振りに対してタメがしっかり効き、手元にガツガツ響くのではなく、一定のラインテンションを保ってくれます。結果として、フックが外れるリスクを抑えてくれる安心感がありました。
 

ツッコミと制御の応酬

ある程度まで寄せたところで、青魚のツッコミが何度も始まります。リールのドラグを限界直前に調整し、両手で竿を支えて耐えると、竿の弾性がその勢いを吸収し、魚を制御してくれます。
ただ柔らかいだけでなく、しっかりと止める力を持つ――このやり取りの時間が、全体の中でも最も長く感じられました。
 

タモ入れで感じた真価

魚体全体が水面に見えた瞬間がタモ入れの好機です。元竿が強すぎる竿だと、寄せた時にテンションがかかり過ぎ、フックアウトの危険があります。石鯛竿全般に言えることですが、手前でのタモ入れに特化した調子ではないのです。
 
しかし新鋭石鯛は、その不安が少なく、安心して一人でタモ入れを完了できました。この場面こそ、竿の真価を強く感じた瞬間です。
 

気になった点

好印象ばかりではなく、気になった点もありました。
竿が限界近くまで曲がった際、ガイド全体の足が長いためか、竿が横にねじれるような状態が見られました。手元では感じませんでしたが、目視でわかったので、やり取りの最中に少し竿を回して戻しています。
 
見た目にも影響するため、撮影時にはガイドの状態を整えてから臨むと良いでしょう。ガイド高さについては、従来の石鯛竿のように低めの方が安心かもしれません。
 

「新鋭」の名に込められた思い

 

 
最後に、この竿のネーミングについて、ロッドコムからいただいた回答(2020年10月)を要約してご紹介します。
 

弊社は2004年よりダイコーブランドの下請け工場として稼働しておりましたが、2014年にダイコーが釣具事業部の撤退を発表。その後、事業再興を決意し、ダイコーが得意としていた石鯛竿を基盤に販売を展開。2015年9月、ロッドコムブランドで「新鋭石鯛」並継タイプを発売しました。
少数精鋭で「新しく鋭くクサビを打ち込む!」という気概を込め、この名を冠しました。

 
石鯛竿への強い思いが、この一本に込められていることを知り、改めて愛着が湧くお話でした。
 
以上で、この連載は一区切りとなります。
数々の比較と実釣で得られた手応えは、これからの釣りにも確かな指針となるでしょう。