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フォトスタジオ / Cスタジオ: 鯉を持って撮影(1)
このCスタジオでは、いよいよ鯉を持っての撮影についてお話します。スポーツの採点競技でいうなら、Bスタジオの検寸写真は「規定」のようなものでスケールを同時撮影することで絶対的な大きさを記録するものです。これに対して、鯉を持った写真は「自由演技」とでもいえるでしょう。巨鯉を釣り上げた喜びの大きさは、やはり鯉を持った釣り人の笑顔に象徴されるのではないでしょうか。私なりに考える撮影のポイントをここに掲載していきたいと思います。
撮影のポイントは、ズバリ以下の3つです。
 
(1)大きな三角形を撮れ!
(2)アゴを出せ!
(3)ヒジを伸ばせ!


以下、順を追って説明していきます。

 


(1)大きな三角形を撮れ
大きな三角形とは上の写真に示すように、人間の頭と鯉の口、尾ビレの先端の3箇所を結ぶ三角形のことです。三角形は写真からはみ出ない範囲で、最大になるようにフレーミングします。特に三角形の底辺、すなわち鯉の全身は写真の幅目一杯にした方が迫力ある写真になります。下の二枚の写真は全く同じ写真ですが、被写体が大きい方が迫力が増すのがお分かりでしょうか。巨鯉写真においては人間の全身を入れることは特別の場合を除いてはあまり意味がないと思ったほうがいいでしょう。人間は立った場合でもしゃがんだ場合でも、おおよそ上半身を撮影(ウエストショット)するくらいのつもりがよいでしょう。
さらに撮影時のカメラの高さにつきましては、鯉を持った人が立っている場合はカメラマンも立って撮影し、しゃがんで鯉を持った場合はカメラマンもしゃがんで撮影するのが基本です。このアングルでの撮影においては、釣り人の目の高さと同じ高さにカメラを置くことで、人間の表情が最もストレートに表現されます。

 

(2)アゴを出せ
私は撮影の際に人間の表情を重視します。上のどの写真を見ていてもこちらまで嬉しくなってしまいそうな表情をしています。この表情を十分に写真表現するためにも、人間のアゴが鯉に隠れてしまうことがないように注意してください。もしも撮影時にアゴが隠れている場合は少し鯉の位置を下げて持ってもらうようにしましょう。尚、鯉を低く下げすぎると、前にお話した三角形が縦長となって、鯉の全身を写真の幅目一杯にすることができなくなってしまいます。また、メーター級の鯉ともなりますと長時間持っているのが重くて辛くなり、表情も次第に笑顔から固くなってしまいますので、手際よく上下の位置を調整してもらうように心掛けましょう。
 
(3)ヒジを伸ばせ
最初にお話したように、スケールを伴った検寸写真と違って、この場合の写真では人間と鯉の相対比較によって鯉の大きさを感じとることができます。従いまして、遠近法を用いるのが効果的なのはいうまでもありません。鯉をよりカメラに近く、人間を遠くすることで大きな鯉と小さな人間の撮影が可能になります。そのためには、鯉を持った釣り人がなるべくヒジをのばして鯉を突出すようにさせるのがポイントです。
しかしこれは度が過ぎるとむしろギャグになってしまい、お笑い写真になりますので注意しましょう。写真はかつて地鶏オヤジさんが釣った子鯉を「メーター級に撮ってくれ!」といって突出した写真ですが、やはりいくらなんでも限度がありますよねぇ(^ ^; 笑って許してやって下さい。
 
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