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KenAutoガレージ / Aガレージ:私の多目的車の条件

泊まりがけの鯉釣りで使用していた車、「三菱シャリオグランディス 6人乗り 2WD エクシード」は、新車購入から10年を超えて走行距離も17万キロに到達しました。購入時は鯉釣りをすでに始めていたものの、泊まりがけで釣りに行こうなどとは全く考えていませんでした。後々になってみると、なんとか車中泊もでき、結果的には日常生活と鯉釣りを両立できる車でした。唯一不満があるとすれば、購入当時は4WDがラインナップされていなかったために2WDを選ぶしかなかったことです。そのため、釣り場ではちょっとしたぬかるみも気を付けていました。
 
17万キロ走破するまでは色々な車両トラブルが当然のごとく発生しましたが、幸い大事に至ることなく、その都度修理をしながら使い続けてきました。しかし、20万キロも次第に見えてくるようになると、さすがにいつ大きなトラブルが起きるかわからない不安感を次第に抱くようになってきました。そんなわけで、1年ほど前から車の買い替えを前提に、ディーラーをまわり試乗をしました。覚えているだけでも、「三菱 DELICA-D:5」「トヨタ ESTIMA」「日産 X-TRAIL」「トヨタHILUX-SURF」「スバル FORESTER」.。その他に、試乗しないがディーラーに見に行った車は数知れません。しかし、私の要求そのものに無理があるせいか、ひとつも希望にかなった車が見つかりません。ちなみに私の条件とは、主なところでは3つあります。
 

1.快適なドライビング

日常の運転が結構多いため、長距離運転しても疲労感が少ないのが必要条件。自動車道でも高速安定性があって、スッと加速ができるフィーリングがないと、ストレスを感じてしまいます。エンジン音がうるさいのは論外。家族4人が乗って、荷物も満載し自動車道を走ることが多いため、2400ccクラスのエンジンが必要で、振動が多いのは疲れるからダメ。
 

2.燃費がそこそこいいこと

通勤、レジャー、帰省などあらゆる場面で活躍するため、燃費の悪い車は対象外。車両重量の重い大型オフロード車やワンボックス車のほとんどは対象から外れます。
 

3.フルフラットで十分な就寝スペース

釣行時の車中泊のために、本当のフルフラットが必要。ワンボックスのカタログなどに記載している、凸凹が多い名ばかりのフルフラットではダメ。さらに、寝るのに十分な長さ方向のスペース(できれば2m程度)が欲しい。また、座った時に天井に頭がつっかえないのが結構重要なポイントです。
 
たったこれだけの要求なのに、この自動車大国の日本でも条件にかなう車は意外と見つかりません。1と2を満足する車はいくらでもありますが、3の条件を加えた途端に選択肢がほとんどなくなってしまうのが現状です。シートを畳むとフラットになるSUV車の多くは、天井が低くて対象外でした。総合的に見て3つの条件に近いのが、2007年式の「X-TRAIL 2.4L」ですが、フラット部の長さがあと少し足りない残念な車でした。
 
「こりゃ、いくら探しても無駄だな。自分である程度アレンジするしかない。」
 
泊まりがけ釣行をする鯉師の車は、「トヨタ HIACE」や「三菱 デリカスペースギア」が定番ですが、私の指向とは明らかに違っています。そんな状況の中、宇都宮市内でカスタムカーショップ「KEN AUTOMOBILE」を経営するかたわら、幾度となく鯉釣り雑誌に登場して鯉師としても有名な、福田さんに相談してみることにしました。
 

KEN AUTOMOBILE 福田さん

 

代車はなんと福田さんの鯉釣り車「HIACE」

 
ショップの前の道路はこれまで数限りなく通っていましたが、中にお邪魔するのは初めてです。ショップ内には、マニアが見たら泣いて喜びそうな希少価値の高い名車がドレスアップを待って並んでいます。穏やかな口調で話すナイスガイの福田さん。初めてお会いしたにも関わらず、すぐに打ち解けて話すことができました。
 
しばらくして、福田さんのアドバイスをいただきながら達した結論は次の通り。
 
1.今乗っているシャリオグランディスの4WDバージョン中古車を購入する。
2.3列目シートをはずしてベッドを取り付け、2列目シートは通常のシートだが車中泊の時は倒してベッドに組み替える。
3.乗車定員を6人から4人に変更し、車検の度に3列目シートを戻す手間をなくす。
 
数週間後、福田さんから希望の条件に近い車が入ったとの連絡がありました。週末を利用してショップに行き、細かいところまでひとつひとつ福田さんと確認して、その車を購入することに決めました。今乗っている車と同じ系列の中古車なので、オプションパーツを取り外して今度の車に使えるのは本当にありがたい。しかも中古車なので安く購入した分、ベッドなどの改造に費用をまわすことができます。新車だとなんとなく車内改造も気が引けますが、中古なら思い切って好きなように工事できる楽しみもあります。
 
翌週、まずは今乗っている車からパーツを取りはずす作業を開始しました。そのため、土曜日一日だけ福田さんに車を預けることに。預けた時に出して頂いた代車が、なんと福田さん自身の鯉釣り車「HIACE」。代車といえば普通は軽か小型車と決まっていますが、排気量3000ccの代車なんてあり得ない(大笑)。
 
福田さんのせっかくのご厚意なので、車内装備をじっくりと拝見しました。タックル類は整然と収納され、ベッドはもちろん高級感ある作りで寝心地もよさそう。カーサイドタープは雨や日よけに活躍しそうだし、ルーフボックスに色々詰め込めば、車内はすっきりして広々と使うことができます。餌だけ積み込んだら、いつでも釣りに出掛けられるほど装備が整っていました。
 
夕方、我が愛車は外装、内装の装備を取り外して貧相となって帰ってきました(笑)。少しの間なので、これで我慢、我慢。二代目グランディスの完成を楽しみに待とう。

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