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カープマスター概要

初版 2011.4.3

Ambassadeur 6500「Trophy Collection Series」とは

Ambassadeur 6500には、「Trophy Collection Series」というスペシャルエディションが存在します。おそらく北米市場向けの限定モデルで、日本国内ではまず見かけることがありません。このシリーズには、対象魚に応じた6種類のリールがラインナップされており、それぞれに個別の型番が与えられています。特徴的なのは、リールのサイドプレートに魚のイラストがあしらわれている点です。
 

Ambassadeur 6500「Trophy Collection Series」

 
この中で、特に気になるのが「Ambassadeur 6500TCCM Carpmaster」というモデルです。ヨーロッパではカープフィッシングにおいてABUの知名度はあまり高くないようですが、北米や日本ではその名を知らぬ釣り人はいないほどの老舗ブランド。そんな中にあって、「Carpmaster」という名称を聞いただけで、つい胸が躍ってしまいます。
 

Carpmasterの歩みと特徴

Carpmasterの初登場は1999年。以来、ほぼ毎年カラーリングを変えて販売されてきました。ややこしいフットナンバーよりも、カラーの方がその年のモデルを見分ける手がかりになり、購入時の判断材料としては助かります。ただし、時間を空けて買い足す場合には、色を揃えるのが難しくなるという悩ましさもあります。
 

 
このCarpmasterの存在は、以前から海外のサイトで知ってはいたのですが、当時の日本では石鯛釣りにおいて5メートル以上の長竿と大型リールが主流だったため、特に注目されることはありませんでした。ところが数年前から、は全長4メートル程度の短めの石鯛竿を使うようになり、バランスの合うリールを探し始めました。
 
Ambassadeurの6500Cシリーズは、大きさ・重量ともに手頃で良さそうだったのですが、ギヤ比の関係で巻き取りが遅く、実釣にはやや不向きでした。唯一、6500CS Rocket Gunnerはギヤ比6.3:1と巻き取りスピードに優れていましたが、価格が非常に高価で、複数台揃える必要のある鯉釣りには現実的ではありません。そこで、流通量が極めて少ないCarpmasterについて、もう少し調べてみることにしました。
 
2011年の時点では、日本でこのリールを使っている釣り人は、まだいないのではないかと思います。まずは基本スペックについて見ていきましょう。
 

Carpmasterと他モデルのスペック比較

 

 
Carpmasterと6500CS Gunnerはいずれもギヤ比6.3:1となっており、巻き取りスピードに優れています。参考までに、ギヤ比5.3:1ではハンドル1回転あたり約60cm巻き取るのに対し、6.3:1では約72cmの巻き取りが可能です。これは、かつて鯉釣りで多用されたAmbassadeur 7000シリーズのハイスピードモデルと同等であり、十分な性能といえるでしょう。
 
ブレーキシステムについても触れておきます。Rocketシリーズは遠投性能を重視しており、2点式の遠心ブレーキを採用しています。これは飛距離を稼ぐには適していますが、ブレーキ力がやや控えめなため、メカニカルブレーキやサミングへの依存が高まる傾向があります。
 
一方、Carpmasterは6点式の遠心ブレーキを採用しており、より安定したブレーキ制御が可能です。そのため、メカニカルやサミングに過敏になる必要がなく、操作性において安心感があります。
 
ベアリングに関しては、Carpmasterはステンレス製を採用。一方でRocketシリーズは海釣りを想定して、高防錆仕様のHPCRベアリングが使われています。もっとも、淡水専用で使う分には、ステンレスベアリングで何ら問題はないと思います。
 

使い慣れた7000・9000シリーズとの違い

これまで私はAmbassadeurの7000番台、9000番台といった頑丈な大型リールを使い続けてきましたので、6500シリーズの華奢なつくりには最初戸惑いもありました。手に持った瞬間の軽さ、巻き心地の違い、どれもが新鮮で、まったく別の感触と言ってよいでしょう。
 
今後はこのCarpmasterについて、さらに細かな仕様や使用感などを順を追ってご紹介していきたいと思います。