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Fishing Photographer / 5th shot シルエットを撮る

今回は釣り場でシルエット写真を撮るときの注意点についてお話します。
 
シルエット劇を見た経験がある方が多いかと思いますが、どうしてシルエットだけであれほど劇に引き込まれるのでしょうか?それは、すべてが形だけで表現され、徹底的に簡素化されたビジュアルが、見る人の想像力をかき立てるためだと思います。
 
写真でも同じことが言えます。釣り場はシルエット写真の宝庫です。偶然ではなく、意図的にハイグレードなシルエット写真を撮るにはどうしたらよいかお話します。
 

1.主役はシルエット

「表現したい主役は何か?」まず最初に浮かぶのは当然「釣り人」です。釣り人が主役であれば、それを際立たせるためにはそれ以外のものを徹底的に排除した構図を選ぶことが基本となります。従って、釣り人と同時に周辺のものが重なって映り込むことは避けなければいけません。また、フォーカスは主役に合わせるようにします。
 

2.主役の向こうに太陽

次にシルエットにするために欠かせない条件が、主役の背景に照明光があることです。背景が相対的に明るいことで、手前の被写体がシルエットとなります。釣り場では主役の向こうに太陽があることが必須で、そのためには太陽の位置が低い朝日か夕日の中で撮影することになります。朝まずめ、夕まずめに釣り場にいる確率が高いため、シルエット写真を撮るチャンスには恵まれているはずです。
 

3.太陽を写さない

構図を決める時に太陽を写さないようにするのが基本です。太陽を写すと明るすぎて主役の存在が霞んでしまいます。太陽を主役の真後ろに隠すか、構図から外すようにします。私の場合は太陽の光を反射した水面や雲を背景にすることが多いです。
 
シルエット写真を2枚紹介します。最初の写真は釣り人を主役にした場合です。太陽の位置が少し高めですが、水面の反射光を使うことでシルエットが浮かび上がっています。ロッドを持っていますので、何の説明もいらないわかりやすい写真になっています。
 

  
次の写真は鯉釣り車を主役にした場合です。夕焼け雲を背景にしてシルエットを作っています。この車が鯉釣り車であることは、おそらく鯉師だけがわかる「謎解き」に近い写真になっていて、ちょっと自己満足している写真です。「謎解き」は写真を良くご覧になって下さい。
 

  
シルエット撮影時のカメラの設定については、詳しく解説したサイトが無数にありますので、検索してみて下さい。最も気をつけなければならないことは、フルオートに設定すると自動でフラッシュが光ることが多いため、主役まで光が届く届かないに関わらず「発光OFF」の設定にしておく必要があります。また、カメラの種類についてはあまり気にしなくても良いと思います。2枚の写真は、1枚目がコンパクトデジカメ、2枚目が一眼レフで撮影しました。一般的なパソコン画面で見ている分には、あまり差は感じられないと思います。

(つづく) 
掲載日2014年7月20日
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